皆様こんにちは。
東京都中央区銀座にある「マキデンタルオフィス銀座」ございます。
「朝起きると、なんだか顎がだるい」
「パートナーから、寝ている時の歯ぎしりを指摘された」
このような経験はありませんか。
多くの方が無意識に行っている歯ぎしりを、「たかが癖」だと軽視しているかもしれません。
しかし、その無自覚な習慣が、歯や顎だけでなく、顔の印象や全身の健康にまで深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。
この記事では、歯ぎしりがもたらす知られざるリスクを専門家の視点から徹底的に解説します。
影響の全体像から原因、そして今日から始められる対策までを理解し、あなたの大切な歯と健康を守る第一歩を踏み出しましょう。
歯ぎしり・食いしばりセルフチェックリスト

歯ぎしりや食いしばりは、睡眠中や集中している時に無意識に行われることがほとんどです。
そのため、ご自身では気づきにくいのが特徴といえるでしょう。
まずは、以下のリストで当てはまるものがないか、確認してみてください。
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| 朝の症状 | ・起床時に顎が疲れている、または痛みを感じる ・口が開きにくいと感じることがある ・原因不明の頭痛や肩こりが慢性的にある |
| お口の中のサイン | ・歯がすり減って平らになっている ・冷たいものや熱いものが歯にしみる(知覚過敏) ・頬の内側や舌に、歯を押し付けたような跡がある |
| 日中の癖 | ・仕事や家事に集中している時、無意識に歯を食いしばっている ・ストレスを感じると、口元に力が入る感覚がある |
| 他者からの指摘 | ・家族やパートナーから、睡眠中の歯ぎしりの音を指摘されたことがある |
一つでも当てはまる項目があれば、あなたは歯ぎしりや食いしばりをしている可能性が高いです。
放置せずに、その影響について正しく理解することが重要になります。
歯ぎしりがもたらす深刻な影響

歯ぎしりと聞くと、多くの方は「歯がすり減る」程度のイメージしか持っていないかもしれません。
しかし、無意識下でかかる力は、時にあなたの体重の数倍にも達するといわれています。
その強大な力が、歯や顎はもちろんのこと、全身の健康、美容面にまで、悪影響を及ぼすのです。
【歯・顎への直接的な影響】歯の摩耗・破折から顎関節症
歯ぎしりの最も直接的なダメージは、やはりお口の中に現れます。
想像を絶する力が毎晩のように加わることで、大切な歯を失う原因にもなりかねません。
| 影響の種類 | 具体的な症状・リスク |
|---|---|
| 歯の損傷 | 歯の摩耗:エナメル質が削れ、下の象牙質が露出し、歯が平らになる 知覚過敏:冷たいものや熱いものがしみやすくなる 歯の破折:歯にひびが入ったり、欠けたり、最悪の場合は根元から割れてしまうこともある |
| 歯周組織への影響 | 歯周病の悪化:歯を支える骨に過度な負担がかかり、歯周病の進行を早める 歯の動揺:歯がグラグラと揺れ始める |
| 顎関節への影響 | 顎関節症:顎が痛む、口が開きにくい、カクカクと音が鳴るなどの症状が現れる |
これらの症状は、食事や会話といった日常生活の質を大きく低下させる要因となります。
特に、歯の破折は抜歯に至るケースも多く、非常に深刻な問題です。
【全身への意外な影響】頭痛・肩こり
顎の筋肉が過度に緊張することで、その影響は全身へと波及していきます。
あなたが長年悩まされているその不調も、実は歯ぎしりが根本原因である可能性が考えられます。
| 影響が及ぶ部位 | 具体的な症状 |
|---|---|
| 頭部・頸部 | ・緊張型頭痛 ・頑固な肩こり ・首の痛みや張り |
| 睡眠 | ・ 睡眠の質の低下(眠りが浅くなる) ・日中の強い眠気や倦怠感 |
| その他 | ・自律神経の乱れ ・めまいや耳鳴り |
これらの症状は、マッサージや鎮痛剤ではなかなか改善しないことが多いです。
根本原因である歯ぎしりにアプローチしなければ、つらい症状は繰り返されてしまいます。
【美容面への影響】エラ張りや顔の歪みを引き起こす可能性
歯ぎしりは、健康面だけでなく美容面にも望ましくない影響を与えることがあります。
特に女性にとっては、見過ごすことのできない問題でしょう。
主な美容面への影響は以下の通りです。
- エラが張る:ものを噛む筋肉(咬筋)が、歯ぎしりによる過度なトレーニングで発達し、顔が大きく見えてしまう。
- 顔の歪み:左右どちらか一方で噛む癖があると、片側の筋肉だけが発達し、顔の非対称や歪みの原因になる。
- ほうれい線が深くなる:口周りの筋肉の緊張が、ほうれい線をくっきりとさせる一因となることもある。
これらの変化は、セルフケアでの改善が難しい領域です。
歯ぎしりへの対策が、結果的に小顔効果や若々しい印象につながることも期待できます。
【経済的な影響】高価なセラミックやインプラントを破壊するリスク
時間とお金をかけて手に入れた美しい歯が、無意識の力によって破壊されるリスクがあるのです。
これは、あなたの「大切な投資」を無にしかねない、重大な脅威となります。
| 治療物の種類 | 歯ぎしりによる破損リスク |
|---|---|
| セラミックの詰め物・被せ物 | 天然歯に近い見た目と硬さを持つが、強い衝撃で割れたり欠けたりしやすい。高額な再治療が必要になる。 |
| インプラント | 人工歯根に過度な力がかかり、上部構造の破損やインプラント自体の脱落を引き起こす可能性がある。 |
| 歯列矯正装置 | ワイヤーやブラケットが外れたり破損したりし、治療期間の延長や追加費用につながることがある。 |
せっかく手に入れた健康で美しい口元を長く維持するためにも、歯ぎしり対策は必須です。
なぜ歯ぎしりは起こるのか?考えられる主な原因

歯ぎしりの原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
ご自身の生活を振り返りながら、当てはまるものがないか考えてみましょう。
ストレスや不安などの心理的要因
歯ぎしりの最も大きな原因として指摘されているのが、ストレスです。
仕事や家庭、人間関係などで感じる精神的なストレスは、眠っている間に無意識の筋肉の緊張として現れることがあります。
日中に溜め込んだ緊張を、就寝中に歯ぎしりという形で発散しようとしているのです。
飲酒、喫煙、カフェインなどの生活習慣
何気なく行っている日々の習慣が、歯ぎしりを誘発、または悪化させている可能性があります。
特に、睡眠の質に影響を与える習慣には注意が必要です。
| 歯ぎしりに影響する生活習慣の例 |
|---|
| アルコールの摂取:睡眠が浅くなり、筋肉の緊張を招きやすくなる。 |
| カフェインの摂取:覚醒作用があり、深い眠りを妨げる原因になる。 |
| 喫煙:ニコチンには血管を収縮させ、筋肉を緊張させる作用がある。 |
これらの習慣は、歯ぎしりだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。
生活習慣の改善は、歯ぎしり対策の重要な一環です。
噛み合わせの不調和や特定の病気
心理的な要因や生活習慣だけでなく、お口の中や全身の状態が歯ぎしりの引き金になることもあります。
考えられる原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 噛み合わせの問題:特定の歯だけが強く当たるなど、噛み合わせのバランスが悪いと、不安定な状態を補正しようとして歯ぎしりが起こることがある。
- 逆流性食道炎:睡眠中に胃酸が逆流することで、口の中が酸性に傾き、それを中和しようとして歯ぎしりが誘発されるという説がある。
- 睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が止まることで脳が覚醒し、その際に歯ぎしりが起こりやすいことがわかっている。
歯ぎしりの影響を軽減する治療法とセルフケア

具体的にどのような対策を取れば良いのでしょうか。
歯ぎしり対策は、「ご自身でできるセルフケア」と「歯科医院での専門的な治療」を組み合わせることが、最も効果的です。
今日から始められるセルフケア・予防法
日々の少しの意識と工夫が、歯ぎしりの緩和につながります。
継続することが大切なので、無理なく取り入れられるものから試してみてください。
| セルフケアの種類 | 具体的な方法 |
|---|---|
| ストレスマネジメント | ・就寝前にリラックスできる時間を作る(入浴、音楽鑑賞、軽いストレッチなど) ・ 適度な運動を習慣にする ・趣味や好きなことに没頭する時間を持つ |
| 顎周りのマッサージ | ・頬骨の下やエラのあたりにある咬筋を、指で優しく円を描くようにほぐす ・こめかみにある側頭筋をほぐす |
| 日中の意識改革 | ・上下の歯が接触しないように意識する(TCHの是正) ・「歯を離す」「リラックス」などのメモをPCやデスクに貼り、意識付けする |
| 生活習慣の見直し | ・就寝前のカフェインやアルコールの摂取を控える ・枕の高さを調整し、楽な姿勢で眠れるようにする |
歯科医院で相談できる専門的な治療法
セルフケアを続けても改善が見られない場合や、すでに痛みなどの症状がある場合は、専門家である歯科医師に相談することが不可欠です。
歯科医院では、あなたの症状や原因に合わせた、より専門的で効果の高い治療法を提案できます。
マウスピース(ナイトガード)による保護
歯ぎしり治療において、最も一般的で基本的な方法がマウスピース(ナイトガード)です。
就寝中に装着することで、歯ぎしりの強大な力から歯や顎を物理的に守ります。
歯科医院で作製するマウスピースは、市販のものとは全く異なるものです。
| 歯科医院で作製するマウスピース | 市販のマウスピース | |
|---|---|---|
| 適合性 | 歯型を精密に採って作製するため、フィット感が良く外れにくい | 既製品をお湯で軟化させて合わせるタイプが多く、適合性が低い |
| 安全性 | 噛み合わせを考慮して作製されるため、顎関節に負担をかけにくい | 噛み合わせを悪化させたり、顎関節症を引き起こしたりするリスクがある |
| 耐久性 | 高品質な素材を使用しており、耐久性が高い | 素材が柔らかく、すぐに穴が開いたり破損したりしやすい |
| 保険適用 | 歯科医師の診断に基づけば、保険適用で作製可能 | 保険適用外 |
ボトックス注射による筋肉の緊張緩和【当院の強み】
より積極的な治療を望む方や、マウスピースの装着が苦手な方には、ボトックス治療という選択肢があります。
これは、緊張している咬筋にボツリヌストキシン製剤を注射することで、筋肉の働きを和らげ、歯ぎしりの力を根本的に弱める治療法です。
マキデンタルオフィス銀座では、長年の経験に基づき、この治療を安全かつ効果的に提供しています。
| ボトックス治療のメリット・デメリット |
|---|
| メリット – 歯ぎしりの力を根本から弱めることができる – 頭痛や肩こりの緩和が期待できる – 咬筋のボリュームが減ることで、小顔効果も期待できる |
| デメリット – 効果は永続的ではなく、3ヶ月から6ヶ月程度で効果が薄れるため、継続的な治療が必要 – 保険適用外の自由診療となる |
噛み合わせの調整
歯ぎしりの原因が、特定の歯が強く当たるなどの噛み合わせの不調和にある場合、そのバランスを整える治療が有効です。
歯科医師が精密な検査を行い、高すぎる部分をほんのわずかだけ削ったり、低い部分に詰め物や被せ物で高さを足したりします。
全体の力が均等に分散されるように調整することで、顎の筋肉の緊張を和らげ、歯ぎしりの軽減を目指します。
【まとめ】無意識の癖に気づき、大切な歯と健康を守ろう
この記事では、歯ぎしりが歯、全身、美容、そして経済面にまで及ぼす広範な影響について解説しました。
「たかが歯ぎしり」と軽視されがちなこの無意識の習慣が、実はあなたの健康と生活の質を静かに蝕んでいる可能性があることを、ご理解いただけたのではないでしょうか。
重要なのは、まずご自身の状態に「気づく」ことです。
そして、すでに痛みや不快な症状がある方、あるいはセルフケアだけでは不安な方は、決して一人で悩まずに専門家である私たち歯科医師にご相談ください。
マキデンタルオフィス銀座では、マウスピース治療はもちろん、長年の実績を持つボトックス治療など、患者様一人ひとりの症状とライフスタイルに合わせた最適な解決策をご提案します。
あなたの未来の健康を守るため、意識的な一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。


