ブログ
ジルコニアとセラミックの違いは?5つの視点で徹底比較【費用・見た目・強度】

皆様こんにちは!

東京都中央区銀座にある「マキデンタルオフィス銀座」です。

「虫歯治療で銀歯以外の選択肢があるみたいだけど、ジルコニアとセラミックって何が違うの?」
「どちらも保険がきかなくて高額だし、治療した後に後悔したくない…」

歯科医院で被せ物や差し歯を選ぶ際、このようなお悩みを抱えていませんか。

専門的な説明を受けても、一度にすべてを理解するのは難しいものです。
この記事では、ジルコニアとセラミックの違いについて、専門外の方でも分かりやすく5つのポイントで徹底比較します。

この記事を読んで、それぞれの素材のメリット・デメリットが明確になり、ご自身の希望やライフスタイルに最適な選択をしてくださいね。

ジルコニアとセラミック、あなたへのおすすめは?

ジルコニアとセラミックの主な違いを一覧表にまとめました。
どちらの素材がご自身に合っているか、大まかなイメージを掴んでみましょう。

比較ポイントジルコニアセラミック
見た目の美しさ◎ 自然な白さ〇 透明感があり天然歯に近い
強度・耐久性◎ 非常に硬く割れにくい△ 強い衝撃で欠けることも
費用(1本あたり)7万円~18万円8万円~15万円
寿命の目安10年~20年10年~15年
適した部位奥歯、ブリッジ前歯、見える部分
こんな人におすすめ– とにかく丈夫で長持ちさせたい- 奥歯を白くしたい- 歯ぎしりの癖がある– 天然歯のような自然な見た目にしたい- 前歯の美しさにこだわりたい- 金属アレルギーが心配

このように、どちらの素材にも一長一短があります。
大切なのは、ご自身が何を最も重視するかを考え、治療する歯の場所に合わせて最適な素材を選ぶことです。

そもそも、ジルコニアとセラミックってどんな素材?

ジルコニアとセラミックがそれぞれどのような素材なのか、基本的な特徴を見ていきましょう。

ジルコニア|「白い金属」とも呼ばれる圧倒的な強度と耐久性

ジルコニアは、二酸化ジルコニウムという成分から作られた素材です。
宝飾品に使われるキュービックジルコニアと同じ仲間で、その白さと驚異的な硬さから「人工ダイヤモンド」や「白い金属」と表現されることもあります。

主な特徴は以下の通りです。

  • 圧倒的な強度: 金属に匹敵するほどの強度を持ち、強い力がかかる奥歯の治療や、複数本の歯をつなぐブリッジにも安心して使用できます。
  • 優れた耐久性: 長期間の使用でもすり減ったり変色したりしにくく、美しい状態を長く保てます。
  • 体への優しさ: 金属を一切含まないため、金属アレルギーの方でも問題なく使用できます。

この頑丈さから、以前は見た目の自然さよりも機能性が重視される奥歯で使われることが多い素材でした。

セラミック|天然歯のような透明感と美しさを誇る陶材

セラミックは、お茶碗や食器などに使われる「陶器」を、歯科用に改良した素材です。
一般的に《陶材》とうざいとも呼ばれ、その名の通り、滑らかで美しい質感が特徴となっています。

主な特徴は以下のようになります。

  • 高い審美性: 天然の歯が持つ光の透過性や透明感を非常にリアルに再現できます。そのため、隣の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりを期待できます。
  • 汚れのつきにくさ: 表面がツルツルしているため、お茶やコーヒーなどの着色汚れ(ステイン)や歯垢《しこう》(プラーク)が付着しにくいです。
  • 体への優しさ: ジルコニア同様、金属を一切使用しないため、アレルギーの心配や歯茎の変色がありません。

この美しい見た目から、特に人目につきやすい前歯の治療で非常に人気が高い素材です。

ジルコニア vs セラミック【5つの重要ポイントで比較】

ここからは、実際に治療法を選ぶ上で気になる5つの重要ポイントに絞って、さらに詳しく比較していきます。

①見た目の美しさ|自然な白さで選ぶなら?

見た目の美しさは、審美治療において最も重要な要素の一つです。

  • セラミック: 最大の魅力は、天然歯に近い透明感と色調の再現性です。光を適度に透過させるため、まるで本物の歯のような自然な仕上がりになります。特に、前歯など繊細な色の調整が必要な場合にその美しさを発揮します。
  • ジルコニア: 従来のジルコニアは透明感が低く、やや人工的な白さに見えることがありました。しかし、近年では素材開発が進み、透明度を高めた「ハイトランスジルコニア」などが登場し、審美性が大幅に向上しています。

どちらも非常に美しい素材ですが、「本物のような透明感」を求めるならセラミック、「透け感のない美しい白さ」を求めるならジルコニアという選択肢が考えられます。

②強度・耐久性|割れるリスクと寿命で選ぶなら?

治療した歯がすぐに欠けたり割れたりしては、元も子もありません。
強度と耐久性の違いは、素材選びの重要な判断基準となります。

素材長所短所
ジルコニア– 金属並みの強度で、まず割れる心配がない- 噛む力が強い奥歯やブリッジに最適
– 長期間の使用でも摩耗しにくい
– 硬すぎるため、噛み合う相手の歯を傷つける可能性がある(※精密な調整で回避可能)
セラミック– 日常的な食事には十分な強度を持つ– 非常に強い衝撃(硬いものを噛む、歯ぎしり等)で欠けたり割れたりするリスクがある

丈夫さや長持ちを最優先するなら、ジルコニアが圧倒的に有利です。
特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ジルコニアを選択することで破損のリスクを大幅に減らせます。

③費用(値段)|1本あたりの相場は?どちらが高い?

自由診療となるジルコニアとセラミックは、決して安価な治療ではありません。
費用は歯科医院によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

種類費用目安(1本あたり)特徴
フルジルコニアクラウン7万円~18万円全てジルコニアで作られた、強度重視の被せ物。
ジルコニアセラミッククラウン12万円~20万円ジルコニアの土台にセラミックを焼き付けたもの。
オールセラミッククラウン(e-maxなど)8万円~15万円全てセラミックで作られた、審美性重視の被せ物。

一般的に、ジルコニアはセラミックよりも加工が難しく、特殊な設備が必要となるため、費用が高くなる傾向があります。
しかし、その分、耐久性が高く長持ちするため、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるかもしれません。

④体への優しさ|金属アレルギーの心配は?

ジルコニアもセラミックも、金属を一切使用しない「メタルフリー素材」です。
そのため、どちらを選んでも以下のようなメリットがあります。

  • 金属アレルギーのリスクがない: 金属アレルギーをお持ちの方でも安心して治療を受けられます。
  • 歯茎が変色しない: 保険の銀歯などで見られる、金属イオンの溶け出しによる歯茎の黒ずみ(ブラックマージン)が起こりません。
  • 生体親和性が高い: 体によく馴染み、アレルギー以外のトラブルも起こしにくい安全な素材です。

健康面を重視する方にとって、メタルフリー治療は非常に大きな利点となるでしょう。

⑤虫歯の再発リスク|汚れのつきにくさは?

一度治療した歯が、再び虫歯になるのは避けたいものです。
この虫歯の再発リスクに関しても、ジルコニアとセラミックは保険の銀歯に比べて優れています。

その理由は、素材の表面が非常に滑らかであるためです。

  1. 陶器のようにツルツルした表面には、歯垢や着色汚れが付きにくいです。
  2. 汚れが付着しにくいため、細菌が繁殖しにくく、虫歯のリスクを低減できます。
  3. また、精密な加工が可能で歯と被せ物の間に隙間ができにくく、そこから虫歯菌が侵入するのを防ぎます。

このように、ジルコニアやセラミックを選ぶことは、見た目だけでなく、お口の健康を長期的に守ることにも繋がるのです。

【部位別】あなたに最適なのはどっち?

これまでの比較を踏まえ、治療する歯の場所によってどちらの素材を選ぶべきか、「適材適所」の考え方をご紹介します。

「前歯」の治療|審美性を最優先するならセラミックが優位

人から最も見えやすい前歯は、何よりも見た目の自然さが重要になります。

  • セラミック(e-maxなど)がおすすめ
  • 天然歯と見分けがつかないほどの透明感と色調を再現できるため、セラミックが第一選択肢となることが多いです。
  • 隣り合う歯の色に細かく合わせて作製できるため、非常に満足度の高い仕上がりが期待できます。

「奥歯」の治療|噛む力に耐える強度ならジルコニアが最適

食事の際に最も強い力がかかる奥歯には、審美性よりも丈夫さが求められます。

  • ジルコニアがおすすめ
  • 食べ物を力強く噛み砕いても、欠けたり割れたりする心配がほとんどありません。
  • 白い素材なので、大きく口を開けて笑ったときにも銀歯のように目立つことがないのも嬉しいポイントです。

「ブリッジ」治療|複数本の歯を補うならジルコニアが基本

失った歯を両隣の歯で支えるブリッジ治療には、連結部分に相当な強度が必要です。

  • ジルコニアがおすすめ
  • セラミックの強度では、ブリッジの負荷に耐えられず破損するリスクが高くなります。
  • 金属に匹敵する強度を持つジルコニアであれば、複数本のブリッジでも安心して長期間使用することが可能です。

注意点も解説!ジルコニアのデメリットとリスク

ここまでジルコニアの多くのメリットを紹介してきましたが、考慮すべきデメリットも存在します。
良い点・悪い点の両方を理解した上で、最適な判断をすることが大切です。

  • 硬すぎて、噛み合う歯を傷つける可能性がある
    • ジルコニアは非常に硬いため、噛み合わせの調整が不十分だと、対合歯(噛み合う相手の歯)をすり減らしてしまうことがあります。
    • 対策: 経験豊富な歯科医師が、ミクロン単位で精密に噛み合わせを調整することで、このリスクは回避可能です。
  • 色調の再現性がセラミックにやや劣る場合がある
    • 素材の特性上、セラミックが持つ繊細な透明感やグラデーションの再現はジルコニアにとって少し苦手な分野でした。
    • 対策: 近年では審美性を高めたジルコニアも登場しており、ジルコニアセラミック(下記参照)のように、見た目と強度を両立させる方法もあります。
  • 硬いため、調整や修正が難しい
    • 一度装着したジルコニアの形を修正するのは、その硬さゆえに非常に困難です。
    • 対策: 治療前の精密な型取りや設計が極めて重要になります。マキデンタルオフィス銀座では、デジタル技術を駆使し、経験豊富な歯科技工士と連携することで、ミリ単位の精度にこだわった技工物を作製しています。

ジルコニア・セラミック治療に関するよくある質問

ここでは、患者様からよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。

Q1. オールセラミックとジルコニアセラミックの違いは何ですか?

この2つはよく混同されがちですが、構造に違いがあります。

種類構造メリットデメリット
オールセラミック全てがセラミック(ガラスセラミックなど)でできている– 審美性が最も高い
– 天然歯と見分けがつかない
– ジルコニアに比べ強度が劣る
– ブリッジには不向き
ジルコニアセラミックジルコニアの土台(フレーム)の表面にセラミックを焼き付けている– ジルコニアの強度とセラミックの美しさを両立
– ほとんどの部位に対応可能
– オールセラミックに比べ透明感が若干劣る
– 費用が高額になりやすい

簡単に言うと、「美しさ」を極めたのがオールセラミック、「美しさと強さ」を両立させたのがジルコニアセラミックと考えると分かりやすいでしょう。

Q2. 治療期間はどのくらいかかりますか?

被せ物(クラウン)の場合、型取りから装着まで、通常2回〜3回の通院で完了します。
期間としては、おおよそ2週間〜1ヶ月程度が目安です。
ただし、虫歯の治療や根の治療が必要な場合は、その分治療期間が長くなります。

マキデンタルオフィス銀座では、患者様一人ひとりのご予定に合わせて、柔軟に治療計画を立案しますので、お気軽にご相談ください。

まとめ|納得のいく治療のためにマキデンタルオフィス銀座で相談しよう

ジルコニアとセラミックは、それぞれに優れた特徴を持つ素晴らしい歯科材料です。

  • 自然な美しさを最優先するなら「セラミック」
  • 丈夫さや長持ちを重視するなら「ジルコニア」

これが基本的な選び方ですが、最終的な判断は、治療する歯の場所、噛み合わせの状態、そして何よりご自身の価値観によって決まります。

この記事で得た知識をもとに、「自分は見た目と強度のどちらを優先したいか」を考え、その希望を歯科医師に伝えることが、後悔しない治療への第一歩です。

マキデンタルオフィス銀座では、患者様のお悩みやご希望を丁寧にお伺いし、専門家の視点から最適な治療法をご提案します。
豊富な経験と最新の設備で、機能性と審美性を両立した、満足度の高い治療の提供をお約束します。
「どちらの素材が良いか迷っている」「もっと詳しく話を聞きたい」という方は、ぜひ一度、当院のカウンセリングにお越しください。

最新記事