皆様こんにちは!
東京都中央区銀座にある「マキデンタルオフィス銀座」です。
「朝起きたら、なんだか歯がズキズキ痛む。」
「仕事に集中していると、いつの間にか歯を食いしばっている。」
あなたも、こんな経験はありませんか。
その痛み、もしかしたら虫歯ではなく、無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。
この記事では、歯ぎしりによって歯が痛むメカニズムから、今すぐできる応急処置、そして根本的な治療法までを分かりやすく解説します。
その歯の痛み、歯ぎしり・食いしばりが原因?症状とメカニズム
歯の痛みの原因が虫歯や歯周病だとは限りません。
特に、以下のリストに当てはまる症状がある場合、歯ぎしりや食いしばりが痛みの引き金になっている可能性が高いです。
こんな症状はありませんか?セルフチェックリスト
複数当てはまる場合は、歯ぎしりや食いしばりの影響を強く受けている可能性があります。
- 噛むと特定の歯が痛む、または歯が浮いたような違和感がある
- 冷たいものや熱いものが歯にしみる(知覚過敏)
- 朝起きた時に顎が疲れている、または口が開きにくい
- 歯がすり減って平らになったり、欠けたりしている
- 頬の内側や舌に、歯を押し付けたような跡(圧痕)がある
- 原因不明の頭痛や肩こりに悩んでいる
- 家族やパートナーから、就寝中の歯ぎしりを指摘されたことがある
なぜ痛む?歯に過剰な力がかかる3つのメカニズム
では、なぜ歯ぎしりや食いしばりをすると歯が痛むのでしょうか。
それは、食事の時にかかる力をはるかに超える過剰な負担が、歯とその周りの組織にかかり続けるためです。
主なメカニズムは3つあります。
用語 | 意味 |
---|---|
歯根膜《しこんまく》 | 歯の根(歯根)と顎の骨(歯槽骨)の間にある薄い膜。噛んだ時の力を吸収・分散するクッションの役割を持つ。 |
象牙質《ぞうげしつ》 | 歯の大部分を構成する組織。エナメル質の内側にあり、歯の神経(歯髄)につながる無数の細い管が通っている。 |
マイクロクラック | 目には見えないほどの、歯の表面に入る微細なひび割れ。 |
- 歯根膜の炎症
強い力が繰り返し加わることで、クッション役の歯根膜が炎症を起こします。
これが「噛むと痛い」「歯が浮いた感じがする」といった症状の主な原因です。 - 歯の摩耗による知覚過敏
歯ぎしりで歯の表面にある硬いエナメル質が削られ、その内側の象牙質が露出します。
象牙質には神経につながる管があるため、冷たいものなどの刺激が直接伝わり、しみるような痛みを感じるのです。 - 歯の微細な破折(マイクロクラック)
過剰な力は、歯に目に見えないほどの細かなひび(マイクロクラック)を生じさせることがあります。
このひびが噛むたびに刺激となり、ズキッとした鋭い痛みを引き起こす原因になります。
なぜ起こる?歯ぎしり・食いしばりの主な3大原因
歯ぎしりや食いしばりは、知らず知らずのうちに行っている厄介な癖です。
その背景には、心理的なものから物理的なものまで、様々な原因が隠されています。
ご自身の生活を振り返りながら、原因を探ってみましょう。
原因1:ストレスや不安
現代社会で最も多い原因の一つが、精神的なストレスです。
仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、将来への不安などが、睡眠中や集中している時に無意識の筋肉の緊張を引き起こします。
特に、顎の筋肉である咬筋《こうきん》が過剰に働き、強い力で歯を食いしばってしまうのです。
原因2:噛み合わせや歯並びの問題
噛み合わせのバランスが悪いことも、大きな原因となります。
例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- 高さが合っていない詰め物や被せ物がある
- 歯並びが乱れていて、特定の歯だけが強く当たる
- 歯が抜けたままになっている
このような状態だと、顎が不安定になり、安定する位置を探そうとして無意識に歯をすり合わせてしまうことがあります。
原因3:無意識の癖や生活習慣
日中の何気ない癖が、夜間の歯ぎしりにつながっていることもあります。
特に注意したいのが、上下の歯を無意識に接触させ続ける癖「TCH《ティーシーエイチ》(Tooth Contacting Habit)」です。
本来、リラックスしている時、上下の歯の間にはわずかな隙間がありますが、この癖があると常に筋肉が緊張状態になります。
また、以下の生活習慣も歯ぎしりを助長する可能性があります。
- カフェインの過剰摂取: コーヒーやエナジードリンクなど
- アルコールの摂取: 睡眠の質を低下させる
- 喫煙: ニコチンによる神経への刺激
【今すぐできる】つらい歯の痛みを和らげる応急処置
原因は分かっても、まず目の前のこの痛みを何とかしたい、というのが本音でしょう。
ここでは、歯科医院に行く前にご自身で試せる応急処置を2つご紹介します。
ただし、これらは一時的な対処法であり、根本的な解決ではないことを覚えておいてください。
市販の痛み止め(鎮痛剤)の使用と注意点
「ロキソニンS」や「イブ」などの市販の鎮痛剤は、つらい痛みを一時的に抑えるのに有効です。
しかし、使用する際はいくつかの注意点があります。
漫然と使い続けるのではなく、あくまで歯科医院を受診するまでの「つなぎ」として考えましょう。
施策 | 長所 | 短所(注意点) |
---|---|---|
市販の鎮痛剤の使用 | ・即効性があり、つらい痛みを素早く和らげられる。 ・薬局やドラッグストアで手軽に入手できる。 | ・根本的な原因解決にはならない。 ・長期連用は胃腸障害などの副作用リスクがある。 ・痛みが麻痺し、根本原因の悪化に気づきにくくなる可能性がある。 |
顎周りのマッサージと冷却法
硬直した顎周りの筋肉をほぐすことで、痛みが和らぐことがあります。
以下の手順で、優しくマッサージを試してみてください。
- 頬骨の下あたり、耳の前に指をあてます。
- 軽く口を開け閉めした時に、筋肉が盛り上がるところが咬筋です。
- その部分を、指の腹で優しく円を描くように、気持ちいいと感じる程度の強さで30秒ほどほぐします。
- 痛みがある場合は無理に行わないでください。
また、ズキズキと熱を持つような痛みがある場合は、炎症を起こしている可能性があります。
タオルで包んだ保冷剤などを痛む側の頬に5分〜10分程度あてて冷やすと、楽になることがありますよ。
根本改善と再発防止のための対策【歯科医院・セルフケア】
応急処置で痛みが一時的に和らいでも、原因が解決したわけではありません。
歯ぎしり・食いしばりを放置すれば、痛みは再発し、歯や顎へのダメージは蓄積していきます。
ここでは、根本的な改善を目指すための専門的な治療と、ご自身でできる予防策について解説します。
歯科医院での主な治療法(マウスピースなど)
歯科医院では、症状や原因に合わせて様々な治療法を提案します。
最も一般的な治療が、就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)です。
マウスピースには、歯ぎしりの力を分散させて歯や顎への負担を軽減する効果があります。
マウスピースの種類 | 特徴 | 適した症状 | 主な素材 |
---|---|---|---|
ソフトタイプ (保険適用) | 柔軟性があり、装着時の違和感が少ない。 | 軽度の歯ぎしり、装着に慣れていない方。 | EVA樹脂など |
ハードタイプ (保険適用) | 硬い素材でできており、耐久性が高く、歯をしっかり保護する。 | 重度の歯ぎしり、食いしばりが強い方。 | アクリル樹脂 |
ボトックス治療
銀座にあるマキデンタルオフィス銀座では、咬筋の緊張そのものを和らげるボトックス治療も行っています。
これは、過剰に発達した咬筋にボツリヌストキシン製剤を注射することで、筋肉の働きを弱め、歯ぎしりの力を根本から緩和する方法です。
マウスピースが苦手な方や、より直接的な効果を求める方におすすめの治療法と言えるでしょう。
日常でできる予防策
歯科医院での治療と並行して、日々のセルフケアで再発を防ぐことも非常に重要です。
意識的に生活に取り入れてみましょう。
- 上下の歯を離すことを意識する: PC作業中やスマホを見ている時など、気づいたら上下の歯を離す習慣をつけましょう。「歯を離す」と書いた付箋を貼っておくのも効果的です。
- ストレスを上手に発散する: 軽い運動や趣味の時間、入浴などでリラックスする時間を作りましょう。自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
- 良い姿勢を保つ: 猫背や頬杖は、首や肩、顎の筋肉に余計な負担をかけます。デスクワーク中は特に姿勢を意識しましょう。
- 就寝前のリラックス: 寝る前のスマホ操作は避け、穏やかな音楽を聴いたり、温かい飲み物を飲んだりして、心と体をリラックスモードに切り替えましょう。
放置は危険!歯ぎしりがもたらす全身へのリスク
「たかが歯ぎしり」と軽く考えてはいけません。
長期間放置すると、歯や口の中だけでなく、全身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
- 歯への深刻なダメージ: 歯がすり減るだけでなく、ひびが入ったり、最悪の場合は割れてしまったりして、抜歯が必要になるケースもあります。
- 顎関節症の発症・悪化: 「口が開かない」「顎がカクカク鳴る」「顎が痛い」といった顎関節症の症状を引き起こし、食事や会話といった日常生活に支障をきたします。
- 全身の不調: 顎の筋肉の緊張が、慢性的な頭痛や肩こり、首の痛みを引き起こすことがあります。
- 顔貌の変化: 咬筋が過剰に発達することで、エラが張ったように見え、顔の輪郭が変わってしまうこともあります。
まとめ:気になる歯の痛みまずは歯科医師に相談を
歯ぎしりや食いしばりによる歯の痛みについて解説してきましたが、大切なポイントを振り返りましょう。
- 虫歯ではない歯の痛みは、歯ぎしり・食いしばりが原因の可能性がある。
- 主な原因はストレス、噛み合わせ、生活習慣にある。
- 応急処置は有効だが、根本解決には歯科医院での治療とセルフケアが不可欠。
- 放置すると、歯の破折や顎関節症など、より深刻な問題につながるリスクがある。
気になる歯の痛みは、あなたの体が発している重要なサインです。
「そのうち治るだろう」と放置せず、まずは専門家である歯科医師に相談してください。
正確な診断を受けることで、漠然とした不安は解消され、あなたに合った最適な治療法が見つかるはずです。
マキデンタルオフィス銀座では、歯ぎしり・食いしばりに関するご相談を随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。